人生後半戦の新おとな学 Ver.2

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人生後半戦を平均値で考えていないだろうか

人生後半戦を平均値で考えていないだろうか|新おとな学 Ver.2

 

 

定年年齢が実質的に65歳になった。そうなると今度は雇用延長を70歳まで認めることなるだろう。ところが55歳で役職定年となり、同じく給与の減額が制度として認められている。

2018年8月には人事院が公務員に対しても同様の制度を導入するように内閣に申し入れた。これで70歳まで働くことが社会の暗黙の了解を得たことになる。果たして70歳まで働けるのだろうか。

 

 

定年後にいくら必要かというネタ

 

老後の生活資金として定年後にいくら必要かという試算がある。このような試算の元になるのはアンケートによるもので任意に提出されたデータを元にして試算されている。

任意に提出されたということは提出したくない人のデータは含まれていない。提出したくない人とはどのような人だろうか。多くは他人に家計の事情を知られたくない人だと思う。

試算の元になるデータは他人に知られてもよいと思う人、日本人特有の恥ずかしくないそこそこの生活をしている人ということになる。

これらのデータを元に試算するのだから結果は実態より高くなっていると思われる。ならばその分を差し引いて考えたほうがよいと個人的には考えている。

  

消費支出の約27%は食料、教養娯楽・交際費は

 

毎年2月に総務省統計局から前年の家計調査報告が発行される。この中に年齢階級別家計収支、高齢夫婦無職世帯の家計収支という項目がある。2017年版の28ページを見ていただきたい。

高齢夫婦無職世帯の家計収支|家計調査報告

統計局ホームページ/家計調査報告(家計収支編)―平成29年(2017年)平均速報結果の概要―


家計収支の全体がわかるグラフがある。高齢無職世帯=年金で暮らしている世帯と考えることができる。収支とはいっても、非消費支出(税金・社会保険料)を差し引いて考えていることがわかる。

消費支出の中で一番多いのが食料であるが、この統計によれば他の年齢も約25%が食料となっている。不足分は消費支出の23%になり、この部分が老後の生活資金が不足するというネタ元になっていると考えられる。

このグラフの中で教養娯楽が10.6%、交際費が11.6%、合計で22.2%になる。食料と教養娯楽・交際費を節約すると不足分は補えそうだ。

 

 

 

平均値を基準にしても問題は解決しない

 

このグラフから分かる不足分は、「夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯」の平均値でありすべての家計に当てはまるわけではない。

単身世帯(ひとり世帯)でも、厚生年金か国民年金かによっても収入は異なるし、夫に先立たれた場合と妻に先立たれた場合でも異なる。

病気になった場合、介護を受けなければならなくなった場合は、グラフの中の費目のバランスが大きく変わることもあり得るだろう。

私の両親も平均値を参考に老後の収支を考えていたが、母親が介護状態になり、父親が入退院を繰り返すようになって大きく収支バランスが崩れたの実際に経験している。

 

日本人は平均値好き、自分は当てはまらない

 

一般的に日本人は平均値好きで、パターンやグループに属しいると安心感を覚える。ところが実態は平均値に当てはまる人の方が少ないのだ。

また日本人は平均より少し上が居心地のいい場所のように考える傾向があるが、統計データには含まれない平均値より下のほうの人がいることも忘れてはならない。

人生後半戦の生き方を考えるなら平均値ではない、自分に合った生き方を考えるべきであるし、考えなければならない。