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高齢者のひとり暮らしは〇〇世帯に1世帯!

高齢者のひとり暮らしは〇〇世帯に1世帯!|新おとな学 Ver.2

 

人生後半戦になると老後の暮らしが不安になるという。その中のひとつが「孤独」だ。ところがひとり暮らしをしている高齢者に生活の満足度をたずねると不安を抱いている人よりも満足と感じている人のほうが多いという調査結果もある。

 

 

 

高齢者はひとり暮らしにどう思っているか

 

「家族と独居」について考える前に、少しばかり人生後半戦の暮らしの状況について整理してみたい。まず冒頭の「満足と感じている人が多い」についてである。

2018年(平成30年)に内閣府の調査による55歳以上を対象にした「平成29年 高齢者の健康に関する調査結果」では、「日常生活への満足度」に対して88.7%が「満足している」としている。

もう少し細かな数字を見ていくと次のようになる。

調査数全体 1998
単身世帯 (男)94(女)182(計)276 約14%
満足・やや満足 (男)72.3%(女)87.9%(計)82.6%

この数字をどう思われるだろうか。思っていた以上に、一般的に伝わってくる老後不安のイメージとは異なるのではないだろうか。

もっとも調査数に男女の差もあるし、不安のある人は調査に積極的に参加しないであろう。また55歳以上という高齢者には含まれない年齢の区切り方も影響があるかもしれない。

マスコミの報道は「老後不安」という結果ありきの伝え方になるので一概には信じられないとはいっても、満足していると感じている調査結果は意外である。 

 

65歳以上の高齢者のひとり暮らしの状況は?

 

「独居」とはどういう状態を指すのだろうか。独居とは文字通りに解釈すれば、独りで、すなわち1人で生活する「ひとり暮らし」を意味する。であれば年齢には関係ない。

厚生労働省の「平成29年 国民生活基礎調査の概況」という調査報告がある。この資料を参考にして独居の状態を把握してみる。

直近は2017年、比較するのは1998年である。資料自体は1986年からの数字が表記されているが、高齢化社会への対応のために介護保険法が制定されたのが1997年なので1998年と比較した。

また高齢者の区切りとなる65歳を基準にしているのもわかりやすい。総人口については総務省統計局の人口を参考にし、単位も統一した。(いろんな統計があるが傾向を見るのには支障はないと判断した)

平成29年 国民生活基礎調査の概況(厚生労働省)

  

 

 

総人口は増えていないのに高齢者が占める割合は急増!

 

総人口であるが1998年と2017年では大きな差はない。2008年の1億2808万人をピークに人口の減少はこれからも続くと予測される。人口減が社会に与える影響よりも年齢人口の割合の変化が社会に大きく影響を与えることは言うまでもない。

  1998 2017
総人口 1億2648万人 1億2670万人
65歳以上 2062万人 3519万人
総人口比 16.3% 27.8%

日本の人口推移をグラフ化してみる(ガベージニュース)

 

65歳以上の以上の人口の中で単独世帯(ひとり暮らし)の割合は、65歳以上の人口の伸びの割り合いに比べて大きい。(単独世帯数=ひとり暮らし人数) 

  1998 2017 1998年比
65歳以上 2062万人 3519万人 170%
単独世帯 272万世帯 627万世帯 230%

 

高齢者だけで暮らす高齢者世帯の実情は

 

65歳以上の人口の中には、世帯の中に65歳以上を含む場合、世帯全体が65歳以上の場合、65歳以上の単独世帯に分かれる。世帯全体が65歳以上の場合を「高齢者世帯」という。

  1998 2017 1998年比
総世帯 4449万世帯 5042万世帯 113%
65歳以上世帯 1482万世帯 2378万世帯 160%
高齢者世帯 561万世帯 1322万世帯 235%
単独世帯 272万世帯 627万世帯 230%

世帯及び単独世帯においては2.3倍という増加率である。人口が増えなくても高齢者世帯及び単独世帯が減らない、このことが「人生後半戦の暮らしの状況」を表している。

独居かどうかよりも「4世帯に1世帯は高齢者世帯、その中の2世帯に1世帯はひとり暮らし」というのが日本の現状である。

 

8世帯に1世帯はひとり暮らしの高齢者

 

高齢者人口が増えていることが衆知の事実である。高齢者のひとり暮らしを「独居老人」として問題視しがちだが、もし問題とするならば高齢者だけの世帯が4世帯に1世帯あることが問題だろう。

ただし、4世帯に1世帯あることが問題とは限らない。もし、冒頭に書いたとおり、満足度の高い高齢者が多いのであれば問題視しすぎることはない。

独居や孤独が問題ではなく、不透明な老後を悲観視しすぎているのではないかと思う。もちろん楽観視することはできないが、マスコミや業者ニュースに踊らされずに現実と事実を理解することが大切である。