人生後半戦の新おとな学 Ver.2

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シニアになったら「住処」を決めろ!

シニアになったら住む処を決めろ!

 

何歳から自分が「シニア」だと自覚するのは人それぞれだろうが、少なくとも50歳から65歳までの間に自覚するだろう。
シニアを自覚したら学ばなければならないことが3つあることは前回の記事に書いた。
今回はそのうちの1つめの「どこに住むか」についてである。

 

2040年に現住地に住んでいるだろうか?

何のなめに学ばなければならならいかというと、それは「決める」ためである。
なぜ決めなければならないのか、まずはこの点についてお話したいと思う。
前回の記事でも2020年と2040年、すなわち約20年後について考えてみた。
20年後の自分は現在住んでいるところと同じところに住んでいるかを考えてみよう。

 

現住所と出生地が同じ人は70%以上

2018年3月の「人口移動調査」によれば、都道府県単位の「現住地と出生地」の比較表が掲載されている。(P26 )
東京都周辺と大阪府周辺以外は、ほとんどの都道府県は70%台、80%台である。
つまり70-90%の人が他のり行に移動せずに出生地に住んでいるのだ。

 

60歳を過ぎると現住地からの移動は10%以下

同じ資料に「年齢別、5年後に移動可能性がある人」というグラフがある。(P62)
このグラフによれば移動可能性は40-50歳台になると10%台になり、60歳以上になると10%以下になる。
これは40歳台以降は移動傾向が少なくなり、定住傾向に入ると考えられる。

 

同一都道府県でも人口が集中する地域がある

都道府県単位ではなく市町村単位で考えても人口が集中する地域と減少の一途をたどる地域がある。自分が現在住んでいる地域はどちらにあてはまるだろうか。
もし人口が減少する地域に住んでいるのなら、2040年の現住地の人口予測をすぐに調べたほうがよい。そしてその中で自分が生きている姿を想像してほしい。

 

人口移動可能性

第8回人口移動調査(国立社会保障・人口問題研究所)PDF

https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000031700456&fileKind=2

 

 

現住地から他の地域へ移動する理由は

60歳以上になると都道府県単位でも市町村単位でも現住地から移動する人は少なくなると予想できる。
現住地から他の都道府県への移動の理由は「親子の同居・近居」が40歳台から増えてくる。ただし65歳以上は自分が親の元へ移動するのか、子の元へ移動するのかは定かではない。
いずれにせよ、親子の同居・近居の目的は老親の身の回りの世話、もしくは相続を踏まえてのことだろう。

 

シニアが人口集中地・人口減少地に移動する理由は

医療、介護、交通、買い物など老後の生活の利便性を考えて人口集中地に移動する人もいるだろう。また、人間関係、自然環境、生活費などを考えて人口減少地へ移動する人もいるかもしれない。
現在の利便性と環境ではなく、2040年の時点での生活の利便性と環境を考えて住む処を考えなければならない。もし移動するのであれば2040年の時点での移動地の状況を予測しなければならない。

 

もうひとつ忘れてやしませんか?

だた生活の利便性と環境のバランスを考えるだけでは、2040年の生活を予測できない。
前回の記事でも指摘したとおり、日本の人口問題は生産年齢人口の減少に問題がある。
シニアが生産年齢問題の解決に寄与する方法は自らが生産年齢人口の一部となることだ。
そのためには現住地でも移動地でも働くことができる環境がなければならない。

 

シニアになっても仕事ができる場所とは

仕事には4つの方法がある。1)自分で事業を行う(個人事業)、2)自分がオーナーとなり雇用する(自営業者)。3)従業員となって働く(給与所得者)、4)資金を提供して利益を得る(投資家)、これは今となっては懐かしい「金持ち父さん」のクアドラントと一致する。
その他にもボランティアとして働くこともできるし、家事だけを行うのも働くことになる。どの働き方にせよ、自分に合った働く場所を見つけることになる。

 

人口減少率

日本の地域別将来推計人口(国立社会保障・人口問題研究所)PDF

http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson18/1kouhyo/gaiyo.pdf

※上図は都道府県別総人口の増加率を表しているが、増加率ではなく減少率が適している

 

 

シニアが考えなければならないもうひとつの「住処」

住処とは住む処(場所)という意味と住む家(住居)という意味がある。
どんなに住む場所が理想的で快適でも、住む家が不快であれば元も子もない。
シニアにとってどんな家が理想的で快適なのだろうか。

 

一戸建てと共同住宅の空き家率

都道府県別に見ると、二次的住宅(別荘など)を除いた空き家率は四国4県、山梨、和歌山、鹿児島が上位になっている。
一戸建てと共同住宅を比較すると共同住宅の空き家数が56%と占める一方で、共同住宅の空き家率は鈍化し一戸建ての空き家率が上昇している。
共同住宅とはいっても超高層マンションからかつてのアパートと呼ばれた共同住宅まで様々であるので共同住宅の空き家率は精度に欠ける。

 

シニアが望む「住むための家」とは

一戸建てでも共同住宅でもシニアが望むのは、バリアフリー、ユニバーサル仕様、メンテナンスフリーなどが多くなる。
これらは間仕切りを重視した日本の建物とは異なり、昭和以前の建物の多くはシニア向きではないと言えるだろう。
さらに断熱、空調など省エネと健康まで気遣ったつくりを希望する場合が多い。
自分が現在住んでいる住宅はどうだろうか?

 

2040年のシニアは日常的にITを使っている

2040年のシニアが暮らす住宅は上記のような老後の仕様だけではなく、IT化が不可欠になる。年々シニアのIT普及率が高くなっているので、2040年には日常でITを使うシニアが普通になる。
そのときに必要なのはITの習得ではなく、電源の確保であることを忘れてはならない。電気がなければITは動かないのだから。

空き家率

平成30年住宅・土地統計調査住宅数概数集計(総務酒統計局)PDF

https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/g_gaiyou.pdf

 

 

高齢者の5人に1人がひとり暮らし、自分も例外ではない


2020年の65歳以上の人口は3620万人、そのうち700万人(19%がひとり暮らしとなる。
2040年の65歳以上の人口は3920万人、そのうち896万(23%)人がひとり暮らしとなる。
これだけの人数が日本全国に点在すれば自ずと高齢者福祉の費用が増加するのは予測できる。

 

高齢者は人口集中地に移動し、共同住宅で暮らすことが、2040年に向けてシニアは考えなければならない。
そのためには現住地の現在の情報と2040年の情報を知ることが先決である。日本全国一律のテレビや新聞の情報だけに頼っていても役には立たない。

 

シニアになってもいまだにインターネットが使わない人は「知る」気持ちのない人、「知る権利」を放棄していると私は思う。書籍でもインターネットでもよいのだが、「学ぶ」の入り口である「知ること」なのだ。

 知らずして高齢化社会を乗り切ることはできない。