人生後半戦の新おとな学 Ver.2

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シニアになったら「健康」より大切なこと

 

  

老後の「3K問題」がある。「お金・健康・孤独」だという。
シニアはまだ老後ではないが、50歳を過ぎた頃から「健康」と「老化」を不安要素としてあげる人が多くなる。それは健康の対極として考えられている「病気」を意識するからだろう。
今回はシニアにとっての「健康」について考えてみたい。

 

健康・病気・老化、症状が同じでも原因は?

体調が悪いと年齢・性別を問わず、一時的な体調不良と考えるか、それなりの年齢になったと考えるか、それとも病気かもしれないと考えたりする。若いときには一晩寝ればとか、体を温めればとか、酒を飲んでぐっすり寝れば・・と思った人も多いだろう。
同じ症状でも、疲れかもしれないし、風邪の症状かもしれないし、ときには重篤な病気の予兆かもしれない。

 

シニアには端境期であり転換期でもある

もう若くはない、年をとったと心のなかでは思っていても、思考と行動はなかなか変えられない。
シニアとは若さと年寄りの端境期でもあり、それゆえ思考と行動の転換期でもある。
仕事や生活では思考と行動を変えざるを得ないこともあるが、健康に関する思考と行動は自分で変わらなければならない。

 

シニアになって健康管理を意識しだすのは

シニアの先は老後が控えているし、その先には「死」が控えているのは誰でも同じだ。
シニアの体調不良は重篤な病気と直結する可能性があるので油断はできない。
年齢別死亡原因では50代半ばから「悪性新生物(がん)」「心疾患」「脳血管疾患」がトップ3になる。

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出典:死亡数・死亡率(人口10万対),性・年齢(5歳階級)・死因順位別 (厚生労働省)PDF

※上表は男女合計の抜粋、男女別は出典元を要参照

 

がんは怖くない、本当にそうなのだろうか

がんは罹患部位によっては治療法が確立されているが、また死亡率の高い罹患部位もある。男性に多い前立腺がん、女性に多い乳がんは年齢によって罹患率も異なる。
がんに罹患しても心疾患・脳血管疾患と異なり突然死することがなく、自覚症状すらない場合は手遅れになることもある。

 

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出典:がんの統計 ’18(国立がん研究センター)PDF

 

 

何のために健康を考えることは必要なのか?

健康とは状態であり、固定的な健康状態があるわけではない。生まれながらの状態も異なるし、同じ状態でも人それぞれ感じ方が異なることもある。
少なくとも思考と行動にベストを尽くせる状態であれば健康と言えるのではないだろうか。では何のために健康を考え、健康管理が必要なのだろうか?

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出典:平成28年版厚生労働白書(厚生労働省)

 

「なぜ」ではなく「何のため」を考える

禅問答のようだが「なぜ」は原因・理由を尋ねることであり、「何のため」は目的・目標を尋ねている。
「健康でないより、健康な方がいい」「病気にならないため」という考えは「なぜ」であって「何のため」ではない。
健康な状態を維持することで「何をしたいのか」という問いに答えられるだろうか。

 

シニアの健康観は健康自体が目的・目標になっている

日本は社会的な栄養管理・衛生管理が整っているので健康阻害要素が少なく、その結果として平均寿命が伸びてきた。健康で長生きすることは人生を謳歌する期間が長いように思える。
「人生を謳歌すること」が健康で長生きするだけでは「何のため」が欠けている。
健康で長生きをして何をしたいのだろうか。

 

「健康」を考えることは「生きる」を考えること

シニアになる前と後ででは「健康」についての考え方が変わってくるように、「生きる」についても考え方が変わってくる。シニアになる前は前向きな夢を語れるのは、残り時間を健康で過ごすことを前提としてはいないだろうか。
シニアになると残り時間の過ごし方に健康不安という要素が増え、現実的な夢へと変わってくるのだ。

 

仕事、旅行、旅行以外の趣味、家族と過ごすなど、実現可能なことが多くなる。以前はこのようなアンケート結果が多かったのだが、最近ではこのようなアンケート自体が少なくなっている。
それもこれも老後の生活資金、高齢者の就業、介護予防のための健康管理などの話題にすり替わってきたからだ。

 

これでは「生きる」を考えるだけではなく、生きる喜びを考える余裕などはなくなる。

 

 

健康の目的は「3S」ではなく、「喜び・余裕・拠り所」

60歳からのリアル・2000万円もっていないオレたちはどう生きるか」(岡 久・日本ライフシフト研究会)という本の中に、「3K・3Y・3S」というトピック用語が書かれている。

高齢者の3K問題といえば「お金・健康・孤独」である。
次に出てくるのが再雇用条件の3Y、「安い・休まない・辞めない」である。
そしてまた3Kが出てきたかと思えば、今度は定年後に解放されることして「会社・肩書・家庭」があげられている。
最後に3Kから開放されたあとは3Sにシフトせよというのが「仕事・趣味・社会貢献」だ。

 

生きることを考えるために必要な「3Y」

「生きる」を考えると言っても難しく考える必要はない。自分が喜びを感じることを考えれば目的が見つかる。好きなこと、楽しいことを考えてみよう。

目的に向かうためには努力も必要だが、それ以上に余裕が必要だ。経済的余裕、時間的余裕の前に心の余裕を持つようにしよう。

とはいっても考えるだけでなく行動に移すと上手くいかないこともる。そのときのために拠り所をもってみてはどうだろう。拠り所はメンターでなくても、家族、友人、愛読書でもかまわない。

これが「生きる」を考えるための「3Y」である。

 

健康はすべての元になる

どんなことを考え実行するにも、健康が元になる。では健康がいちばん大切なのかと思うかもしれないが、そんなことはない。

健康に満点はない。誰もが8割ぐらいの健康状態でも自分は健康だと思っている。健康かどうかは自分で決めることで、自分で決めるためには「心の余裕」が必要だ。

どうしても心配な人は医療機関で検査を受けてもらうことも可能であり、これが「拠り所」ということだ。

自分の健康状態でできる好きなこと、楽しいことを考えることもでるが、まず「喜びを感じること」を考えてみよう。

先に健康状態を考えると、自分えの考を制限してしまい「どうせ~できない」と思ってしまう。

シニアにとって大切なのは健康の管理ではなく人生の管理である。

「どうせ~できない」だけでは人生はつまらない。

 

 

人生は三段重ねでも三本柱でもない、人生はトライアングル

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シニアになったら人生の半分は過ぎている。
残りの人生をもう半分しかないと思うか、まだ半分あると思うかは自分次第である。3Kでも3Sでも3Yでもいいが、これからの自分の人生で大切にしたいことを3つあげてみてほしい。そのときに健康が入ってもかまわない。今まで書いてきたことに反するかもしれないがこだわることはわない。

なぜ3つかというと2つでは決められないこともあるからだ。
シニアになる前はワーク・ライフ・バランスもよいが、シニアになったらもうひとつ付け加えてはどうだろうか。ワークとライフだけに人生を分けることはできない、シニアならわかってもらえるだろう。

シニアの後の人生は老後ではなく、ポスト・シニアと考えることができる。シニアの時間をどう過ごすかでポスト・シニアの時間の過ごし方が変わる。シニアという時間に自分が大切にしたことは、ポスト・シニアでも大切なことになるだろう。

是非、シニアの自分が大切にしたいことを3つあげてみてほしい。
(3つにまとめるという考え方もポスト・シニアにきっと役に立つと思う)