出典:新型コロナウイルス感染症 国内事例(厚生労働省)2020年3月18日現在
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新型コロナウィルスのニュースで今まで重大事として扱われていたニュースは影をひそめてしまったような気がします。私の住む札幌では人通りも車の往来も少なくなったような気がします。
北海道人気質と言えば「おおらか・新しもの好き」を自他ともに認めていますが、今回ばかりは新しもの好きとも言えない状況ですし、おおらかにばかりはしていられないでしょう。
感染者となるのは検査を受けた人だけ

同じ3月18日現在でも厚生労働省と日本経済新聞の報道では人数が100人も異なっています。異なる理由はあるのでしょうが、まるで数字の大きさを競っているように思えます。
日本経済新聞によると国内感染者896人、死者31人となっています。単純に計算すれば死亡率は約3.5%です。この「3.5%」という数字を他国と比較しても意味がありません。なぜなら分母が感染者で、感染者となるのは検査結果で陽性となった人の人数だからです。
感染者となるのは次のような順序を経なければなりません。
日本の総人口>検査可能な人数>経過観察人数>検査を受けた人数>感染者人数
また、感染者が死亡に至るまでにも経過措置があります。
感染者人数>自宅待機人数>軽症での入院人数>重症での入院人数>死亡人数
どの人数を分母にし、どの人数を分子にするかによって自段階へ進む確率が変わります。ニュースとして取り上げるにはインパクトのある数字を使った(作った)方が注目度が上がるので、すぐさま死亡率としがちですが上表にあるように退院数のほうが圧倒的に多いのです。
高齢者が感染する確率が高い
新型コロナウィルスで死亡する確率は「高齢者と基礎疾患のある人」が高いそうです。北海道と札幌市では毎日のように感染者の状況が発表されマスコミに対して会見が行われています。どんな状況かはNHKの防災アプリでもリアルタイムで見ることができます。
北海道内の発生状況のサイト
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kth/kak/hasseijoukyou.htm
札幌市内の発生状況のサイト
https://www.city.sapporo.jp/hokenjo/f1kansen/2019n-covhassei.html
この発表から見ても分かる通り50代60代以降の年代の方が多いのですが、いわゆる65歳以上という高齢者の基準ではありません。統計局の「人口推計(令和2年(2020年)2月概算値)」によれば、日本の人口構成では約48%が50代以上です。
下表は上記の統計より筆者が作成したグラフです。見てのとおり高齢者を50歳からとするなら2人に1人が高齢者となるので体力・免疫力の弱まっているほうが感染率が高くなるのは当然です。同じように60歳からなら3人に1人、70歳からなら5人に1人が高齢者となるので「高齢者が多い」とは言えません。
※100歳以上のご長寿さんは0.1%いらしゃいます
今まで散ざん高齢社会と言ってきたのですから高齢者が確率的に感染者が多くなることは予測できたでしょう。むしろ50歳未満で感染した人達の状況を詳しく調べることで感染拡大が防げる方法がわかるのではと素人ながらに思うのです。
基礎疾患があると重症化する確率が高い
新型コロナウィルスは感染しても必ずしも発症しないという特徴があるそうです。また感染し自分は発症しなくても他の人に感染させてしまい、感染させられた人が発症してしまうということもあるそうです。
発症後も軽度から重度の症状まであり、軽度からそのまま回復してしまう人もいれば、最悪の場合は死亡という事態に至る人もいます。
現在の日本の新型コロナウィルスに対する検査体制は症状が出たから検査するので検査後に陽性になる確率が高くなっているのではないでしょうか。
また、重症化し死亡に至るのは基礎疾患を持っている人が特に懸念されており、注意を促されています。前述の感染者に高齢者が多いということを踏まえて、今までの高齢者の死亡率を調べてみました。
年齢に関わらず、日本全体の死亡原因は1位から順は「悪性新生物>心疾患>老衰>脳血管疾患>肺炎」となっています。
50歳以上の死亡原因も全人口の死亡原因と同じで、実に全人口の死亡者数の97%以上が50歳以上となちるのですから当然と言えば当然です。新型コロナウィルスは肺炎を発症させますが、65歳以上になると今までも肺炎で死亡する確率が高くなっています。
また、肺炎と関係のある心疾患が50歳以上では悪性新生物についで多いことから、50歳以上になると何らかの基礎疾患を持っている人が多くなるということは否めません。そして80歳以上になると総体的な老衰が死亡原因となっているのが分かります。
つまり、高齢者の感染率が高くなることも、基礎疾患のある人が重症になる確率が高いことも「高齢社会時代における予定調和」と考えることができます。
数字だけでは何も解決しない
新型コロナウィルスに関する自治体からの発表とその報道は数字に関してが多く取り上げらてれいます。特にニュースでは症状や関係性についてはあまり取り上げらず不安が増すばかりです。
毎日のように自治体から報告される数字は天気予報の如く伝えられ、当事者が置かれている状況について関心を呼ぶものではありません。経済に与える影響もまことしやかに伝えられても、新型コロナウィルスが蔓延する前の状況を是として考えられています。
他国と比べて日本の状況を判断するにしても条件が違いすぎますので比較すること自体で感染の拡大予防の参考にはならないと思います。感染率を低くするのであれば、感染の可能性の有無を問わずに検査人数を増やし分母を大きくすれば感染率は低くなります。同じように死亡率を低くするのであれば軽度重度問わずに感染者数が多ければ死亡率も少なくなります。
検査体制・隔離体制が異なる中で感染率・死亡率という数字だけでは感染拡大の予防になるとは思えません。
人生後半戦の新型コロナウィルス
世間では新型コロナウィルスを風邪やインフルエンザと同じだと言っている人もいますが、同じかどうかはまだわかりません。「新型」とは新種のウイルスということですので、これからさらに変異する可能性もあります。うかつに今までの経験上から判断しては危険ですし、また自論でそう思ってもむやみに人に勧めることは避けたいものです。
人生後半戦を50歳からとするのであれば、前述の死亡原因に記したとおり基礎疾患がある人は今まで以上に衛生面に注意をするべきでしょう。
基礎疾患の有無にかかわらず感染しないように努力を怠らないことが重要です。感染症は感染しなければ広がらないわけですので、まずは予防です。とはいっても、大騒ぎになっているマスクは予防力が高いわけではありません。手洗いを始め、身の周りを清潔に保ち衛生面に注意しましょう。
もし新型コロナウィルスに感染したと思ったら下記の厚生労働省のサイトを読んでみてください。日本国内での共通認識がここに書かれています。それでも不安があり症状がある場合は「帰国者・接触者相談センター」への連絡しましょう。リンク先は各自治体の対応が書かれていますが、自治体ごとに対応が違いますので注意してください。
新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html
帰国者・接触者相談センター
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusya...
再度、記しますが自分が下記のどこに属すかによって取るべき行動、取らなければならない行動が変わってきます。
日本の総人口>検査可能な人数>経過観察人数>検査を受けた人数>感染者人数
>自宅待機人数>軽症での入院人数>重症での入院人数>死亡人数
ワクチンができて、緊急事態宣言に対する安全宣言が出て、世界中が安心できるようになってからでなければ、現在の新型コロナウィルスへの対応が正しかったかどうかという評価はできません。
最後に
私は札幌市の比較的中心部に住んでいます。新型コロナウィルスは市内に飛び交っていると思っています。ただし感染しないように努めていますし、まだ感染していないとも思っています。
思い当たる症状がなくても感染し、また感染させてしまうというのが新型コロナウィルスの厄介なところです。私自身も基礎疾患がありますので自分の身を守るため、そして感染して社会に広めないためにも節度を持って行動したいと思っています。