人生後半戦の新おとな学 Ver.3

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人生後半戦に新しい生活様式が始めるには

人生後半戦に新しい生活様式が始めるには

 

 

 

新しい生活様式(ニューノーマル)

 

新型コロナ禍の下、みなさんはどのような生活を送っていらっしゃるでしょうか。私の周りでは「いつになったら元の生活に戻れるのだろう」という不安と期待が入り混じった声が聞こえてきます。

 

緊急事態宣言も解除され、自粛要請も徐々に緩和されていくようになってきました。話題のマスクと特別給付金がすでに手元に届いた人も多いと思います。次は経済の回復に目が向けなければなりませんが、経済の回復に寄与する行動と自粛を求める行動とは相反するところもあります。

 

この数ヵ月、自分自身が行ってきた生活を思い出してみてください。自分の考えで仕事をし、自分の考えで生活をしていたと思いますが、それが本来の生活だと思えるでしょうか

 

今回は新しい生活様式と経済支援について考えてみたいと思います。

 

 

 

1月末から5月までを振り返って

 

新型コロナが北海道に上陸したのが1月末、私の住む札幌市で報告されたのが2月中旬、冬の北海道観光に訪れた中国武漢からの観光客から雪まつりで拡散してしまったときにはもう手遅れの状態でした。折しも多くの人が新年度を前に次年度の計画を練っている最中のことです。

 

いち早く北海道では緊急事態宣言が発令され、半信半疑の外出自粛を行って落ち着きが見えたのも束の間、3月の連休を境にしていわゆる第2波の本格的な新型コロナ禍がやってきました。オリンピックの中止が決まり、東京でも新型コロナが蔓延し、全国的にも新型コロナ禍の重大さが分かってきた頃です。

 

それでも地域格差があり世界的にも国内でも新型コロナに対しての温度差があったと思います。欧米で新型コロナによる死者が増え続け、海外への渡航もできなくなり、経済の不安と特別給付が決まったろころで今年は例年通りではないと意識した人も多いのではないでしょうか。

 

それでも外出自粛のための在宅ワーク、学校一斉休校、病院や介護施設でのクラスターなど、問題提起ばかりで解決策は現場任せでした。医療崩壊と盛んに言われ、海外に比べると日本の新型コロナ対策は他国とは違うと報じられていました。日本は特別だと・・

 

GW明けに全国的に外出自粛の緩和、営業自粛の緩和が行われ、すでに手元に10万円が届いた人もいるでしょう。新型コロナ禍では世界標準となりつつあるマスクも手放せなくなりました。

 

ではいつごろから日常的にマスクをするようになったか覚えていますか?

 

 

 

高齢社会での新型コロナ禍は

 

海外から旅行に来た人が日本人がマスクをしているのを見て不思議に思ったのは新型コロナ前の話です。今では道行く人の半数、いやもっと多くの人がマスクをしています。さすがにフェイスシールドをして街中を歩いている人は見かけませんが、新型コロナの感染力に関してはほとんどの人が理解しているのが現状です。

 

「三密・手洗い・消毒」から始まりソーシャル・ディスタンス(社会的距離)も意識するようになりました。マスクと同じようにいつごろから意識するようになったか覚えているでしょうか。4月7日に安倍総理が緊急事態宣言を発令することが決まった前後ではないでしょうか。

 

人生後半戦を迎えた世代でも今まで経験したことがない「感染症」という厄災の中に身を投じることになったのです。当初は高齢者が感染しやすい、重篤になりやすいと言われていましたが、年齢には関係なく感染し重篤になる可能性があることがわかっています。高齢社会では高齢者が多いだけで特別ということではないのです。

 

新型コロナ前でも高齢者の死因は肺炎が上位に入り、また人生後半戦の世代は生活習慣病という基礎疾患を持つ割合も高く、それに応じて心臓疾患や糖尿病などを基礎疾患として持つ割合も高いのです。なにも新型コロナだけではなくインフルエンザもノロも高齢者と基礎疾患がある人が重症化する場合が多いのです。

 

新型コロナ前と後で変えた習慣、止めた生活習慣、始めた生活習慣はあるでしょうか?

 

 

 

新しい生活様式は新しくない

 

政府および専門家会議で掲げられた「新しい生活様式」は「三密・手洗い・消毒」以外で新しく追加された重要事項はありません。「三密・手洗い・消毒」でさえ新しいとは言えず、日本では新型コロナ前から意識されていたことでした。ただ頻度を多くしたり入念に行ったりするようにはなりましたが。

 

具体的には仕事上ではそれぞれの業種で、家庭内においては家庭の事情にしたがって対応しなければならないのです。例えば在宅ワークを今後も続ける、続けないという議論もありますが、二択ではなく、それぞれの長所を伸ばし短所を補うということが必要です。どちらが良いかということではなくどちらも良いという考えに頭を切り替える必要があります。

 

人生後半戦の世代は今まで生きてきた時間よりも新しい生活様式を送る時間が短いので身構えるのでしょう。あえて変える必要はないと思うのは「変える」ということに抵抗があるからです。これは海外からみれば伝統を重んじる国として日本が不思議な国に思える原因でもあります。

 

ところが若年層にとっては今まで生きてきた時間よりも新しい生活様式を送る時間のほうが長いのです。つまり新しい生活様式を積極的に取り入れなければ未来が開かれないと思うのも当たり前でしょう。それを「元の生活に戻ろう」とするのでは時代に取り残されてしまいます。

 

もう「元の生活に戻ろう」とするのは新しい世代の生き方の妨げになってしまいます。

 

 

 

時代が変われば対応も変わる

 

新しい生活様式は単に行動を変える「行動変容」を行うだけでは、新しい生活様式の目的は達成できません。新しい生活様式には「新しい考え方」と「新しい決まりごと」が必要です。まずは頭を切り替え、決まりごとと行動を変えることが必要です。日本人は決まりごとがあると周囲の人の目が気になり、決まりごとを守るという行動変容が起きることは、新型コロナ禍でよくわかったと思います。

 

日本人の「みんなで」「がんばる」という考え方は、日本人の考え方と行動に沁みついている美徳です。これは日本人に美徳であって狭い範囲で効果はありますが、広く大勢で行動する時には必ずしも効果を発揮できません。「みんな」ではなく「それぞれ」が、「がんばる」ではなく「調整する」というのが時代に合った考え方だと思います。

 

新型コロナを戦争や災害に例える人もいますが、戦争は人災で災害は自然が相手です。新型コロナという感染症はヒトヒト感染で人災であり、動物由来の突然変異に起因するならば自然災害とも言えます。つまり第三の厄災であると考えるべきではないでしょうか。過去の厄災に当てはめると、もう少し様子を見よう、なんとかコントロールしようと考えてしまうのです。

 

時代が変われば人口も人口構造も変わります。新型コロナは世界的な感染症ですので、その時代時代で対外的な関係も違います。同じことが起きても時代が変われば対応も変わる、このことが人生後半戦を迎えている人にとっては今までの経験で判断しようという考え方と葛藤が生まれるのです。昔は・・、近ごろの・・、新しいことは分からないと言っている人にとっては、新型コロナを理解することは難しかったのでしょう。

 

これからも新型コロナへの対応はまだまだ続きます。心の準備はできているでしょうか?

 

 

 

給付金を貯蓄してはいけないのは

 

外出自粛、営業自粛が緩和され、再び人と接する機会が増えます。増えるのは新型コロナもいっしょです。新型コロナ対策を行わなければ感染確率が上がることを忘れてはいけません。同時に人と接する機会が増えるということは経済がまわり始めます。

 

経済がまわるとはお金と商品・サービスの交換が行われるということです。新型コロナもいっしょに交換される可能性もあります。前述までの新しい生活様式、行動変容を行わず、元の生活に戻ることは決して良いことではありません。今までの努力を無駄にしてしまします。

 

新型コロナに感染しない、感染させないという考え方・決まりごと・行動をスタンダード(標準)にする必要があります。その上で経済をまわすことを考えなければなりません。給付金をはじめとした経済をまわす支援策が行われています。支援策ですので経済をまわすことが目的です。

 

人生後半戦を迎えている多くの人は貯蓄と投資を行ってきた世代ですが、それ以上に消費を行ってきた世代です。支援策を貯蓄と投資にまわすのではなく、経済をまわすこと、すなわち消費にまわしてこそ意義があります。ただ何に使ってよいのかわからないと思っている人もいるでしょう。

 

生活費にあてるのもよし、少し贅沢するのもよし、ただしできるだけ早く使うことです。

 

 

 

競争から適正の時代へ

 

日本の年代別貯蓄額は50代以降が高くなっています。国民一律に給付された10万円は世帯主の指定口座に振り込まれますので、世帯主が使わなければすぐに消費にはまわらないでしょう。銀行口座に振り込まれますので一定の期間は消費にまわらず経済を回すためには使われないでしょう。

 

政府はこのことを怖れていたので一律給付をためらっていたのです。使われないのであれば給付金をはじめとした支援策は目的を達成できません。前述のように「みんな」で「(がんばって)使う」のではなく、「それぞれ」が「適正に使う」ことを考えればよいのです。

 

それとも使い方を説明しなければ使えないのでしょうか?
日本の高齢社会の特殊性を踏まえた上で、新型コロナ後の新しい生活様式を今後は「新おとな学 Ver.3」として考えていきたいと思います。