人生後半戦になって昔は良かったと思う人は、現在と比べて過去の仕事ぶりや暮らしぶりが良かった思える人でしょう。ではそのような人は未来をどう考えているのでしょうか。未来のことなどわからないから考えても仕方がない、果たしてそうでしょうか。
人生後半戦に経済力をアップするには
経済力は、現在の資産と過去の借金、これに加えて未来の収入と支出で決まります。
現在の資産を計算するためには
まず資産と財産の考え方の違いです。財産とは経済的にプラスでもマイナスでも所有しているものすべてを指します。資産とは経済的にプラスの価値があるものを指します。経済的にマイナスの価値になるものは負債、またプラスでもマイナスでもないものもあります。
プラスでもマイナスでもないものの代表的な例としては相続財産の対象にならないお墓や仏壇などがあります。本来なら資産になる不動産でも、放棄地のような土地は「負動産」と呼ばれ、価値がないならまだしも維持費ばかりがかかるのであれば負債と同じです。
現在の資産は現時点で換金が可能なものとして考えます。現在は価値がなくても将来的に価値が上がると思っても現在の価値で計算します。本棚に眠っている本、レコードなど、クローゼットの肥やしになっている衣服などの現在価値を確認しましょう。
過去の借金はゼロにはできないが
過去の借金で最も大きいのは住宅ローンではないかと思います。他のローンやクレジットの返済も借金となります。個人事業主の事業資金の借り入れも借金です。法人の連帯保証人も個人の借金ですので、中小企業の経営者は借入額が会社の資産を超えている場合は注意が必要です。
過去の借金の中でも住宅ローンは借り換えをして返済額を圧縮することができます。借り換えの検討を行っていない場合はすぐにでも借り入れ金融機関以外に相談に行くべきです。必ずしも借り換えが可能とは限りませんが検討は必要です。
事業以外の生活費の借り入れが大きい場合も圧縮して月々の支払いを減額することは可能ですが、それ以前に生活自体を見直すことが先決です。新型コロナで炙り出された働き方と暮らし方を変えたほうがいい点を見直すことから始めましょう。
収入と支出のバランスを見直す
収入と支出のバランスは固定的な収入と支出、流動的な収入と支出の4つに分けて考えます。今まではこの中で最も変化が少ないと思われるのが流動的な収入です。これからは副業・兼業・複業で流動的な収入も可能な時代となっています。
見直しする時に最も対象になりやすいのが固定的な支出です。生活に必要な費用ですが工夫次第で減らすことが可能です。また前述の借金返済を見直すことも固定的な支出を減らすことがかのうです。
流動的な支出には交際費・医療費や趣味・冠婚葬祭などが考えられます。流動的な支出を減らすことは可能ですが、必ずしも我慢することが良いこととは限りません。これらの流動的な支出を自分への投資と考えると圧縮すべき対象が分かります。
人生後半戦に健康力をアップするには
健康力には「体・頭・心」の健康と病気予防・老化予防に分けられます。
体・頭・心の健康を維持するには
体の健康は誰でも一番最初に思い浮かべるのではないでしょうか。体の健康は栄養(食事)・運動・睡眠(休養)の3つから成り立ちます。運動はスポーツやエクササイズだけではなく日常の動作も含まれます。体調と体力に合わせて健康に気を配ります。
頭の健康は脳の健康です。近年では認知症予防と呼ばれています。記憶力や計算力だけではなく思考力も徐々に衰えてきます。体の筋肉は使わなければ落ちていくように、脳の細胞も使わなければ弱まってきます。考える力を衰えないようにしなければなりません。
心の健康は今までは重要視されていませんでした。うつ病が知られるようになってから心の健康も表立って取り上げられるようになりました。勘違いしやすいのが個性や性格と心の健康状態を混同して扱うことです。心の健康は表面的にはわからないことが多く、健康維持にも一番注意しなければなりません。
病気予防と健康は相反しない
健康の反対は病気だと考えている人はまだまだ多くいます。健康とは状態ですので数値だけで判断できません。健康状態が良い人は体力的に良い数値があげられ、肉体的に健康だと言えます。体力的に良い数値があげられない人は病気が原因かもしれません。
病気も医学的な検査で数値化できます。検査数値が悪いと病気の可能性が高く治療の対象となります。本人が自分は健康だと思っていても、病気になっていることもあります。健康状態がどのくらい悪いと病気となるかは病気の原因にもよります。
新型コロナでわかったように健康状態が悪くなる原因は必ずあります。ウィルスが原因であれば感染症と呼ばれ、癌細胞が原因であれば悪性腫瘍と呼ばれます。健康状態を維持するためには免疫力(免疫システム)を維持することが重要です。
老化予防と健康維持は表裏一体
老化の研究が進んでいる一方で最近の高齢者は元気がよいと言われています。以前は高齢者を老人と読んでましたが、最近ではあまり耳にしなくなってきました。老化予防もアンチエイジングという呼び方に代わり、老化を意識しない時代になりつつあります。
しかしながら現実として生命の繰り返しは行われるのですから、老化はその中の1つの現象として受け容れることも必要です。加齢と老化は言葉は違っても同じことですので、加齢に伴う変化を予防するのは前述の健康維持と大きく関係があります。
人間の身体的なパーツは科学の研究によって人工物に代替できるようになってきました。パソコンもスマホも人間の脳の一部だと考えることもできます。身体内部に埋め込まれるのもSFの世界ではなく現実的な時代となっているのです。
人生後半戦は経済力さえあれば健康力も手に入れられる
現在の世界の人口は77億人となり、人のいるところに格差ありと言われるようになっています。その中で問題視されているのが経済格差です。格差と呼ばれるような大きな差ではなく小さな経済の差はこれからもなくらりません。
なぜなら人類が物々交換を始めた時からなんらかの経済の差が生じ、貨幣経済になってからさらにその差が大きくなったからです。現代では貨幣による現金経済ではなく、デジタル経済に変化したためにさらに大きな格差となって現れていると考えられます。
経済格差は人間による行為によって発生するのですから、人間のいるところに小さくても必ず格差が発生します。つまり教育も健康も人間の関わることなので格差は生じ、教育格差、健康格差として浮き彫りになってきました。
結果的に、経済格差がある限り教育格差も健康格差もなくなりません。
人生後半戦の生き方を後悔しないために
なくならないのであれば、あとは個人が力をつけるだけです。交換行為によって発生する経済格差を原因とした教育格差、健康格差をなくすためには経済に頼らない教育力と健康力をつけるしかありません。
人生前半戦では教育力にせよ経済成長力にせよ上向きの力ですのでなかなか気づきにくいことです。人生後半戦になって下向きの力が働くことでわかったのであれば、あとは行動に経済力と健康力をアップするために行動に移すだけです。
人間はいつか死にます。だから終活をするのではなく、経済力と健康力を維持することをまず行ってみてはどうでしょう。死ぬ間際に生きててよかったと思えるのはどちらでしょうか。答えを出すのは自分自身です。