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「2000万円問題」で分かったお金以外の問題とは?

「2000万円問題」で分かったお金以外の問題とは?|新おとな学 snias.com

 

 

2019年6月に起きた「老後資金2000万円不足問題」も新型コロナ禍ですっかり鳴りを潜めてしまいました。その後「2000万円問題」はどうなったのでしょうか。

 

「2000万円問題」は4割減のの1200万円問題に!?

 

「2000万円問題」の根拠は総務省統計局が毎年発表する「家計調査年報」に掲載されているグラフがもとになっています。「2000万円問題」で取り上げられたのが2017年版で、現在(2020年10月時点)では2019年版まで発行されています。

2017年版で問題となったグラフも2019年版にも掲載されていますので比較してみました。なんだかおかしいと思いませんか?

 

 

家計調査年報 2017vs2019

 

 

「2000万円問題」の根拠となった月々の収支の不足分が減っています。(赤矢印)
2017年では54,519円だったのが2019年では33,269円になっています。その差は21,250円となり、単純計算でも2000万円問題は1200万円問題となります。

他にも実収入が2017年では209,198円だったのが2019年では237,659円になり、28,461円増加しています。率にして13.6%の増加です。総支出(非消費支出+消費支出)も増えていますが、2017年では263,897円で2019年では270,929円となり、その差は7,032円となり総支出の減少割合が少ないのは一目瞭然です。

「2000万円問題」については野党とマスコミはこぞって不安を煽り立てるような発言や記事が溢れ出ましたし、総理も不正確だと釈明したので「ほら見ろ!」ということになったのです。野党もマスコミも「2000万円問題」の根拠に触れず、自らの存在をアピールしたかっただけなのかもしれません。

 

 

 

 

 

2000万円が1200万円になったからと言って?

 

「2000万円問題」の問題はここからです。なぜ野党やマスコミは2017年以前の家計調査年報やせめて2018年の家計調査年報について触れなかったのでしょうか。振り上げた拳は下ろせなかった、そのうちに新型コロナが現われうやむやになってしまいました。

2000万円が1200万円になったからと言って「高齢夫婦無職世帯の家計収支」は毎月不足が生じ補填を行わなければなりません。いずれにせよなんらかの貯えか収入が必要になります。野党のR氏が言うように「国民は『百年安心』がうそだったと憤っている」と追及しても解決はしません。

マスコミもこれ幸いとかどうかはわかりませんが、ニュースのネタは新型コロナ一色に変わりました。そして当の高齢者はどうかというと自己防衛とばかりに節約のために財布の紐を締めたに違いありません。

どうして「2000万円問題」の根拠となった家計調査年報を見ようとはしなかったのでしょう。もしこれからの家計収支が心配なら、まずおおもとの資料を見るのが先決です。難しいことではありません。毎年毎年オープンになっている資料ですから。

「2000万円問題」で問題なのは、年金にを含めて老後の生活設計に無関心、国に任せて言うことを聞いていれば安心、知ろうとする意欲がないという人が多いことです。特に高齢社会の当事者である高齢者にこの傾向が見られるのではないでしょうか。

 

 

 

みんなが言っている情報が正しいと思うのはなぜ?

 

「2000万円問題」で明らかになったのは、自分に不利な情報は信じやすいということです。さらにその情報が権威のある立場から発せられたり、なおかつ分かりやすい言葉で伝えられれば信じてしまうのでしょう。(どこかの国の大統領のように)

そして自分が信じた情報を次に伝えるときに使うのが「みんなが」です。前述の野党のR氏も「国民は」と言っているのも同じです。自分だけでなく多くの人がと使うのは自分の存在を大きく見せるためによく使う言葉です。(子供でもそうしますから)

多くの人が知っている情報は正しい情報だとは限りません。同じ情報でも見方によって解釈も変わりますし、シンプルでわかりやすい情報ほど多くの人が知り理解します。情報の多くはメディアによって伝えられますが、年代によって触れるメディアの割合がことなります。

 

 

高齢になるにしたがってテレビ・ラジオ・新聞・雑誌の割合が高くなり、インターネットメディアも60代男性で30%、60代女性でも25%を占めています。メディアにはそれぞれ特徴がありますが、テレビの大画面化とスマホの小さな画面では情報量が異なり、特にスマホではシンプルで分かりやすい言葉でなければ画面に納まりません。

テレビの大画面で音声・映像・文字の3つで情報を伝えられると他のメディアよりも説得力はあるでしょう。同じ手法が他のメディアにも浸透しています。テレビ離れと言われていますが、伝える手法はテレビと同じです。(国会でも使われている、唖然)

つまり、テレビの手法で伝えられた大きく分かりやすい情報が「みんなが」言っている情報です。

 

 

自分で調べる知識欲よりも他人からの情報収集力

 

「2000万円問題」でわかったことは、みんなが言っている情報のように表現し、情報を受け取る側もみんなに遅れを取らないようにと情報を吸収するということです。他の人と同じことを望む人が多い、ということが問題の本質ではないでしょうか。

特に高齢者は同質同等を望む傾向があります。今一度、自分の知識欲と情報収集力を見直してみてはどうでしょうか。