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ゆとり世代とゆとり老人の時間の使い方

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「ゆとり世代」とは1980年代後半(昭和60年代)から2000年代初め(平成10年代)までに小中学校で教育を受けた世代を指します。学習指導要領の内容が3割減少し、時間的なゆとりを持たせた教育を受けた世代です。その後、学力低下を理由にゆとり教育は終わり、時間的なゆとりはなくなり、2020年から新たな学習指導要領が始まったばかりです。

 

 

 

ゆとり世代を生み出したゆとり老人

 

ゆとり教育を生み出したのは、ゆとり世代の親より少し高い年齢の世代で、この世代が現在の高齢者の中心となっています。私がこれから使う「ゆとり老人」とは、ゆとり世代を作り出した高齢者と賛同した高齢者を指します。(※高齢者:65歳以上)

ゆとり教育を生み出した時代は、日本が総中流家庭と自負していたバブル時代でした。現在ののような貧困問題はなく、経済格差が教育格差につながるといった考えもなかった時代です。ゆとり教育を生み出した世代は、自分たちが受けなかった教育を次の世代に実現したかったのでしょう。

バブル時代にサラリーマンとして働いていた人は給料が上がり、この給料が厚生年金にも跳ね返ってきますので、結果的に受給金額も多くなります。定年を60歳出迎え、老後はゆとりを持った人生設計が可能な世代です。そして多くの高齢者が受給する年金額に差はあってもゆとり時間を手入れました。

ゆとり教育という制度は作ったけれども制度だけでは有効に働かなかったように、ゆとりある老後生活という制度では経済的には差が生じましたが、時間的にはゆとりを享受することができました。しかしながらゆとり時間を有効に使っているとは言えません。ゆとり世代の学力低下と同じように生活力低下が見られます。

学習指導要領のように新しく変わることもなく、昔ながらの生活様式をゆとり時間に使っているのが現在の高齢社会です。

 

ゆとり世代とゆとり老人の特徴

 

ゆとり世代の特徴は、基礎教育による学力が低いことに起因しており、1)自発性の欠如、2)プライベート重視、3)ストレスに弱い、があげられます。これらはすべて短所のように思えますが、裏を返せば長所になります。

1)自発性が欠如していても、教えたこと、覚えたことはきちんを行う、2)プライベート重視は、個性を作るうえで重要なことであり、3)ストレスに弱いのは、集団の中で自分の位置を変えたくない、逆に言うと自立性が高いとも言えます。

翻ってゆとり老人の特徴は、1)上下関係の尊重、2)所属する集団の考えを重視、3)精神論を優先という昭和的な考えがいまだに残っています。こちらも短所とはいえないこともあり裏を返してみると次のようになります。

1)上下関係の尊重は、規律を重んじ集団を維持する、2)所属集団を重視は、利他的で全体を考える、3)精神論を優先は、前向きに考える姿勢があるとなります。自分よりも他人からどう思われるかが重要ということでしょうか。

ゆとり老人の世代が試みたゆとり教育はゆとり世代に制度としてのゆとり時間をもたらしましたが、結果的にゆとり老人がいぶかしがる世代が生まれてしまいました。

 

 

 

 

 

ゆとり時間を使う前に改めるべきこと

 

ゆとり老人には経済的な差はあっても、時間的な差は経済的な差ほど大きくはありません。ゆとり老人のだれもが多かれ少なかれゆとり時間があります。ゆとり時間をどのように使うかを考える前に改めなければならないことがあります。

ゆとり老人の口癖に「みんな」「むかし」「今まで」の3つがあります。ゆとり老人がよく会話の中で使う「みんな」というのは自分以外の「みんな」という意味の場合が多いのです。みんな言っている、みんなで頑張ろう、という使い方です。これがまず1つめです。

2つめの「むかし」というのは意外と古い時代のことを指している場合がよくあります。今の時代で昔というと、平成の前、昭和後期の経済成長華やかな時代ことです。もし昭和後期に「むかし」と言ったら、昭和前期の前、大正時代になってしまいます。「むかし」は昔であって、歴史の一部であり比較の対象にはなりません。

3つめの「今まで」は前例踏襲をするときによく使われる言葉です。今までと同じが続くと進歩はありません。今までと同じは「みんな」「むかし」と同じく、自分のこととして考えようとはしない現れです。全体を見ているようで、自分が変わることは決めたくはないのでしょう。

時間的なゆとりをどのように使うかを考える前に、この3つの口癖を封印して考えてはどうでしょうか。

 

ゆとり時間をどのように使うか

 

ゆとり老人になるまでに多くの社会経験をしてきたと思います。ただこの社会経験も個人差がありますので、最初の段階から説明します。ゆとり時間をどのように使うかの前に、ゆとり時間を使う目的を考えましょう。「〇〇〇のため」と考えてみてください。もし考えつかなければ、最後に考えてもかまいません。

次に「だれと・なにを・どのように」するかを考えます。「だれと」は自分一人でもかまいませんし、だれかと行うときには具体的な名前を考えます。「みんな」だけは使わないようにします。「なにを」も具体的なことを考えます。歌と歌うではなく、〇〇〇という曲を歌うのように考えます。

「どのように」はシチュエーションです。どこで、何を使って、どんな手順でというように具体的なシチュエーションです。そして最後に「なぜ」このように考えたかを振り返ります。最初に考えた目的と合っているか、目的を思いつかなかなかった人は「なぜ」が目的になります。

考えるときは紙に大きな文字で書いてみます。大きな文字で書くのはたくさん書けないことで単純化して要点を絞り込めるからです。ひとりでもよいし、複数人でもよいし、質問形式にしてもよいですので試してみてください。

 

 

 

 

 

ゆとり時間は考えるだけでも楽しいが

 

ゆとり時間をどのように使うかは考えるだけでも楽しいですが、実際に行動を起こしてみることも大切です。ところが経済的な事情や家庭の事情、健康上の理由で行動に移せないかもしれません。そのようなときは「やりたいことリスト」に追加し、新しいゆとり時間の使い方を考えます。

行動に移すことも大切ですが、今すぐにできないこともあります。やりたいことリストに追加して新しいことを考えます。この「新しいこと」を考える力が高齢者になるにつれて弱くなってきます。行動するだけが新しいことではありません。とくにゆとり老人は新しいことを後回しにしてしまいます。

新しいことを考えるには新しい情報が必要です。新しい情報を手に入れるためには学ぶことが必要です。教育ではなく学習です。誰かに教えてもらうのを待つのではなく、自分で学習するのです。教育は学習手段の一つにしかすぎません。ゆとり教育が終わってしまったのは教わる・教えるという教育であって、自ら学ぶ学習ではなかったからではないでしょうか。

 

ゆとり老人は胸を張って生きよう

 

老後の不安は「お金・健康・孤独」と言われています。それぞれの対処の仕方もありますが、共通して言えることはゆとり時間があるということです。ゆとり時間を上手に使うことで老後の不安は解消できるとは言えませんが、解消できる糸口が見つかるかもしれません。

 

そんなことをしても無駄だと思ってゆとり時間を使わないより、ダメもとでゆとり時間を有効に使うことを考えていただけることを願っています。